月刊少年漫画誌に掲載経験のある元漫画家がカーラッピングのデザインをします。
カーラッピングデザインは「車の凹凸」や「車の曲線」に合わせてデザインを組んでいきます。
その際に最も重要な部部が「計測」になります。
カーラッピングデザインのご依頼を頂く際は、施工したい部分を撮影したお車の写真と、その部分の寸法計測のご用意をお願いしております。
最終的なデザインの仕上がりに大きく影響するので、非常に重要なセクションでもあります。
今回はどのように撮影、計測を行うと、ズレの少ないデザインができるかをお伝えいたします。
撮影
両サイドドアのデザインをご依頼いただいた場合を想定します。
・できる限り施工面に対して正面からの撮影を行う
実際のお車で仕上がりイメージを作成し、事前に雰囲気を認識していただくために必要になります。
三次元の実際の車と二次元の写真(画面上)ではどうしても辻褄が合わない部分が出てきてしまいます。
真正面からの写真であれば見た目としては、施工後のイメージに限りなく近いものにできるため、この写真のご用意をお願いしております。
・被写体から3m以上は離れて撮影を行う
これも上記と同じ事ですが、どうしてもカメラのレンズにより画像が歪んでしまうため、必要な距離感となります。
被写体に近ければ近いほど歪みが強くなるため、少し離れて遠めから撮影しましょう。
あまりにも遠いと今度は解像度が足りなくなり、精密な描写がし辛くなるので3~5m位が良いでしょうか。
撮影する機材は、ある程度のカメラであれば何でも構いません。
今の時代、スマートフォンのカメラも相当な高性能ですので、デザインのイメージ画像に使うものであれば十分役割として耐え得るものかと思います。
・できる限り離れた距離からの撮影も行う
ただ可能であれば、スマホのカメラの場合は大きな歪みが生じやすいので、3~5mの写真ともう少し離れた、被写体の解像度が潰れない5m以上離れた写真もご用意いただけると、より仕上がりイメージを制作しやすいです。
平面的寸法採寸
・各パーツの縦横で明確な部分を計測
フロントドアの計測の場合、写真のように角から角、またはプレスラインを基準にすると間違いにくいです。
・メージャーを曲げずにそれぞれのパーツの端から端までを測る
まずは、写真でみた時のような平面での寸法を捉えます。
前述のフォロンとドアを測る場合は、横方向であれば下の写真「平面的採寸①」のようにパーツの端から端までで問題ありません。
ですが、縦方向の場合ボディに膨らみや凹みがあります。
デザイン制作では、最初の段階ではこの部分を無視して進めるため、平面上での寸法が必要となり、下の写真「平面的採寸②」のようにボディとの隙間を空け、真正面から見た長さを想定し計測してください。
・写真で確認できる全てのパーツを、できる限り計測する
施工を施したい場所に関わるパーツがあれば全て同じ要領で計測を行います。
サイド全面の場合ですと、ドアノブやサイドミラー、給油口などです。
今回のフロントドアの場合はドアノブですね。
このように、スマホで撮影した写真にアプリなどで計測した寸法を書き込んでいただくか
または写真を印刷し、紙に直接書き込んでいただくのも良いかと思います。
立体寸法採寸
・平面的に計測した部分を、各パーツの凸凹にそわせて計測
平面的な採寸が完了しましたら、今度はパーツの実際の長さの計測を行います。
先ほど無視したボディの膨らみや凹み部分も考慮し、ラッピングシートを貼る際に必要な長さの計測です。
正面からの写真では見えなくなってしまう部分、例えばサイドステップの下部分や、フェンダーの上部はボンネットまで回り込んでいて、写真ではその長さは正確にはわかりません。
最終的に必要になるシートの長さをここで記録しておくのです。
位置関係の計測採寸
・ドアノブの位置やサイドミラー、給油口等の部品の位置関係を明確に計測
最後に各パーツの位置関係も計測しておきます。
ドアノブの位置やサイドミラー、給油口等の位置関係です。
それぞれのパーツ部分にデザインが被ってくることもあり得るので、そこを避けたり、パーツがあることを想定してデザインを組んだりするため、位置を把握できなければ仕上がりに大きく影響を与え、デザインと仕上がりに大きな違いが出てしまうのです。
まとめ
カーラッピングデザインのご依頼を頂いた際は、最初にイメージするデザインをお伺いし、イメージに近い画像をご用意いただくか、手書き等でご用意いただき、イメージをすり合わせ、実際にデザインを組んでいきます。
そして、デザインを開始するまでにご用意いただきたいものをお伝えしました。
・施工したいお車の写真(3~5m離れた写真)
・施工したいお車の写真(5m以上離れた写真)
・施工部分の平面的な寸法
・施工部分の立体的な寸法
デザインにおいては、まず準備が非常に大事です。
少し面倒な作業となるかと思いますが、仕上がりをより良いものにできれば幸いです。
カーラッピングデザインについて詳しくはこちらから。
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