前回の道具紹介、第4回「インク、墨汁」はこちらからどうぞ。
定規
今回の漫画制作に使用している道具の紹介シリーズは「定規」です。
定規は人工物の建物や効果線を描く際に使用します。
普段使用しているのは2種類。
50cmの定規と15cmの大小の定規を使用しています。
定規は密かに非常に大事な道具です。
どんなものを選ぶか、どんな使い方をするかで絵の仕上がりが大きく変わってしまいます。
ひとまずは上記のような40~60cm、15cm~20cmの大小2種類を使いこなせれば十分です。基本的には長いストロークと短いストロークのためとの単純な用途です。
さら定規を選ぶ際に重視したい部分が、透明、または半透明であること。
方眼定規であることです。
建物を描く際は、窓の枠や壁の板目などの平行線を描くことがよくあるので、定規で隠れてしまう下の線を確認しながら、線を引くことが多々あります。
方眼も平行線を引く際の目安になります。
パースがついた線を引く時も、パースのガイド線を引くのが難しい時や、ガイド線を引くまでもない時に目安として方眼を使ったりします。
また、ペン入れの際も定規を使用しますが、これがまた厄介なのです。
普通に定規をつけペンで使うと、インクが定規と原稿の間に流れ込み、表面を汚してしまうのです。
市販の定規は、基本的に目盛部分が斜めになっているので、紙との間に隙間ができるように裏返して使用します。
そうすると、この隙間があることでインクの流れ込みを防ぐことができます。
ただ、前回の「インク、墨汁」の回で、つけペンにインクを付けすぎるとボタ落ちするとお伝えしましたが、定規を使う際も同様で、ペン先にたくさんのインクがついていると定規に吸い込まれ、そのまま紙まで落ちていくことになります。
この時のためにも、つけペンのインク量に気をつけましょう。
そしてもう一つ、プロの漫画家の現場でよく使われる手法があります。
定規に一円玉を貼り付けて使用します。
たくさんの下描き線がある場合、ペン入れで定規を擦っていると、鉛筆線をぼかしたりし原稿を汚すこともあるのですが、原稿から定規が浮いている状態なのでこれを防げます。
さらには通常の場合、既に描いた線が乾くまで定規を置くことができませんが、この空間があることで、インクを擦らず次の線が描けるのです。
この他にも、雲形定規や、テンプレート定規等、円形や曲線が引ける、用途によって使い分けができる、定規もあるので試しに使用してみるのも良いかと思います。
それでは、定規にまつわる失敗談というかエピソードを↓
漫画イラスト名刺のアナログ漫画制作道具紹介 第6回はこちらから。
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