漫画イラスト名刺のアナログ漫画制作道具紹介 第7回

前回の道具紹介、第6回「ホワイト」はこちらからどうぞ。

漫画原稿用紙

今回は、漫画用原稿用紙についてです。

何度も言うようですが、昨今のデジタル化により従来のアナログ作画と大きく変わったうちの一つに「紙がいらなくなった」ことが挙げられます。

メリットとしては、原稿のやりとりが楽になったことや、描けば描くほどストックされる原稿用紙の置き場に困らなくなったり、その恩恵はかなり大きいものと捉えることができます。

ですが、紙に描くという物質として残る原稿用紙には、印刷されたものにはない特別な楽しみ方もできるのです。

「インク、墨汁」の回でも述べましたが、少し盛り上がった線やホワイト修正された跡、貼られたスクリーントーンやベタのムラ感がよく見えます。

漫画の原稿を見たことのある方には覚えのある感覚かとおもいますが、印刷されたものやweb上にアップされた漫画とは全く違った印象で、何かアート作品を観たときのような感覚になってしまうのです。

デジタル作画を行おうと思うと初期投資がかなりかかってしまう分、アナログでは紙と鉛筆、ペンさえあれば漫画が描ける上、作画の基本はやはりアナログからなので、漫画を描いてみたいと言う方はアナログから始めるのも良いかと思います。

少し話が逸れてしまいましたが、私が使用している原稿用紙について。

漫画用原稿用紙の種類

漫画用原稿用紙も、さまざまなメーカーより販売されています。

それぞれ、漫画を描く際にペンが引っかかりにくように表面に加工を施しているので、非常に描きやすく、滑らかな線が描けます。

サイズもB4サイズとA4サイズがあります。

B4は主に商業誌に使用され、A4は同人誌で使用されるといった大まかな違いでしょうか。

それぞれ枠線やメモリが印刷されており、コマ割りを描く際のガイドとして使用します。

水色の線は白黒の場合印刷されないので、気にせず描き込んでいきましょう。

最近では無地の何も印刷されていない原稿用紙も販売されており、一枚絵などの枠線が必要ないイラストに使用したりします。

こうした漫画専用の原稿用紙ではなく、ケント紙などの水彩用の紙を使用したりされる方もいらっしゃいました。

やはり一度使用してみて自分に合ったものを選ぶようにすると良いかと思います。

枠線 メモリ

市販されている漫画用原稿用紙には、あらかじめ水色で枠線やメモリが印刷されています。これは出版社や印刷所などで目安となる基準線なります。

あくまで基準線ということですので目安とし、雑誌投稿では各雑誌で指定の用紙やサイズが異なる場合があるため、必ず応募要項は確認するようにしましょう。

一般的な考え方として、内側から基準線、断ち切り線、外枠が印刷されています。

基準線を目安にコマ割りの枠線を引きます。

またセリフやモノローグ、重要な絵などはこの基準線より内側に描くことで、読みやすく失敗が少なくなります。

断ち切り線は雑誌などの紙面で端っこになる線です。

この線を基準に切り落とされて、これより外は印刷されない部分ということになります。

(過去の原稿から)

外枠線はこの線まで描きましょう、という基準の線になります。
印刷の際には必ずズレが出てしまいますので立ち切り線よりも外側を印刷した状態で本になることがあります。

そんな場合でもこの外枠線まで描いておけば、多少のズレがあった場合も綺麗な印刷がされたページになります。

このように印刷範囲が理解できていると変な切れ方をしたり、一生懸命描いた絵が印刷では入っていないなんてことがなくなります。

こういった事を意識しつつ原稿用紙を選んで試してみましょう。

ここからは、原稿用紙に関する失敗談漫画です↓

漫画イラスト名刺のアナログ漫画制作道具紹介 第8回はこちらから。

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